質問箱2|和歌山の宮大工 藤井寺社建築工業
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寺社建築から伝統工法・一般木造住宅(和風・洋風・店舗)に対応する宮大工です。 設計から施工まで完全責任施工。


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質問箱(寺社1)
質問箱(寺社2)


質問箱(寺社2)


施主様から、聞かれるご相談を幾つか紹介致します。
参考にしていただければ、幸いです。

構造材について。
木材は、何を使うのが適しているのでしょうか?


地方性により、異なりますので断言は出来ませんが、柱・桁・土台等構造材に桧。
梁には、松を推奨致しております。
また、ケヤキを使用する場合、木の木目が曲がっていると木目に沿って曲がりや捩れ(ねじれ)が起こり易い特性があります。
柱にケヤキを使用する際は、木目が真直ぐな製品を選ぶ必要があります。

本堂の屋根は、軽い方が良いのでしょうか?

積雪の多い地域と台風や強風の多い地域とでは、考え方が根本的に違ってきます。

「積雪の多い地域の場合」
屋根を瓦葺きにした場合、屋根に瓦の荷重と積雪荷重が掛かりますので、本堂に掛かる負担は大きくなります。
また、瓦は凍結の際、著しく消耗を促進する場合もあります。
其の為、銅板葺きや桧皮葺き等屋根を軽くする傾向が見られます。

「台風の多い地域の場合」
本堂は住宅と比べ、屋根勾配が大きいです。
(住宅は5寸配から6寸配程度、本堂は7寸配以上)
屋根勾配が大きくなれば、屋根面積も大きくなり、強風の当る率も高くなります。
本堂は構造上、規模の割りに柱の少ない構造ですので、屋根を軽くすると強風の際、堂が揺れる等の悪影響を起す場合があります。
其の為、私共としては、土葺き(本葺き)を推奨致しております。
土葺きする事により、屋根に荷重を掛け、本堂に与える自然障害を最小限に抑えます。
万が一瓦が割れても瓦の重なりが大きい為、下段の瓦が雨水を受ける仕様になっています。

「改修工事の場合」
調査結果によります。
改修工事の場合、築200年以上の本堂が多く、梁が雨漏れによる腐食、蟻害等による損傷・耐久性の低下が著しい場合、材料の交換又は、補強・予算を考慮し「土葺き」にするか、「から葺き」にするか判断します。


私が持つ技術・計算式について。

お手伝いに行く建築会社様の親方筋・職人さんや弟子さん達に、なぜその仕口が一発で合うのか?
なぜ、その部材が、現場合わせでなく、計算で合せられるのか?などなど、よく質問されます。

これらの事を、この場を借りてご説明したいと思います。
また、未来の職人さん・棟梁のアドバイスの一つとなれば、幸いです。

まず、古来からの寺社建築の技法は、現在の工法より、昔の工法の方が優れていると言う方が、多く居られます。
それは、強ち間違いだとは言いませんが、私の考えでは、当時の寺社建築の技法は、其の時代の最高峰の技術であり、其れを踏まえた上で、寺社建築・木造の不具合を改善していけば、当然、技術や精度は飛躍的に伸びます。

しかし、文化財や古建築を見学して、何々時代の造りは、自分が好きとか、頑なに其の時代の技法に固執している様では、私が言う不具合を見つける事は、中々難しい事です。

次に計算式の方ですが、寺社・伝統工法は、数学の塊とも言えます。
よって、100パーセントとは、言いませんが、その殆どは 計算にて算出できます。

しかし、本堂の様に曲線の箇所もありますので、単純ではありません。
当然、場所によっては、差し金を使う方が早い箇所もあります。

但し、単純に差し金術を使って、線を引いている様では、ダメです。
例えば、差し金術をつかって、一本の線を引く為に、10回差し金をクルクル回して導いた線と差し金を特殊な使い方をして、3回目で導いた線とでは、当然、後者の方が正確な線と言えます。

つまり、基本を覚える内は、セオリー通りの方法で良いと思いますが、そこから先の寺社・伝統工法の技術の進歩は、「今まで、この様にして来た」と言う固定概念を捨てるか、緩めないとなかなか次に進めないと思います。
但し、あくまでも、先人達の技術を踏まえた上での事です。

そして、最後に最も重要なのは、日々の「努力」と「研究」と「型に嵌らない」と言う姿勢です。


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