宮大工を目指す方々へ|和歌山の宮大工 藤井寺社建築工業
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寺社建築から伝統工法・一般木造住宅(和風・洋風・店舗)に対応する宮大工です。 設計から施工まで完全責任施工。


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現在、寺社建築会社で頑張っている方々・これから宮大工を目指そうと考えている方々へアドバイスです。

私は、今まで他社様の助っ人に行く事で何人もの見習いの子達や元々大工で宮大工の世界へ足を踏み入れた方の様子を見てきました。
其の方達に共通している点は、現在自分が置かれている状況下の仕事内容で、一杯一杯になってしまって廻りが見えていない方が、以外に多いと言う事です。

そしてもう一つ、修行中の方は、基本的に一つの現場で、すべてを担当する事は、不可能に近いと言う事です。

其の為に、自分の仕事をこなしつつ先輩の仕事内容や職人さん達の仕事を観て覚えていく事が必要です。
俗に言う「技術は、見て習え」と言うやつです。
但し、ただ観ているのではなく、「この職人さんは、このやり方なんだ」とか「あの先輩は、こうするんだ」と観察しつつ「自分だったら、この様にする」と言った具合に常に考えながら見る事です。

「考えながら見る」と言う行為は、本当に自分の糧となります。

次に多かったのは、探究心を持った方が意外と少なかったと言うことです。
これは、本当に意外な出来事でした。

ある寺社建築会社の助っ人に行った時、数人の見習いの子達にある仕口の墨付けのヒントを出しました。
本来であればある角度を出す為に何回も差し金を回すか原寸を描かなければなりませんが、私の方法だと簡単にその必要角度が出てきます。
結果は、唯の一人も相談や答えを持ってきた人は、いませんでした。

探求心の低い考えを持っていると中々責任者(現場棟梁等)としての成長は見込めませんし、途中で挫折してしまう可能性も高くなります。

色々厳しい事を言ってはおりますが、事実私自身も乗り越えてきた道ですし、現在の棟梁達も乗り越えてきた道だと思います。
これを乗り越えるのは正直とても大変ですが、其の先に大きな道が開いております。

最後にもう一つ。
ある程度、知識や経験が増えると考える事をやめてしまう傾向に陥る方がいます。
ご自身の棟梁や兄弟子の技術を見て学ぶだけでは、其の方達に勝つ事は難しいです。
今まで「この様にして来た」とか「棟梁のやり方はこうだ!だから自分もこのやり方でないといけない」と言う思いは、とても危険です。
その考え方は、技術の進歩の妨げにしかなりません。
「前回は、このやり方だったけど今回は、こっちのやり方で」と言う具合に常に考え続ける事が重要です。

例えば、簡単な所で、水切(地方に拠れば、雨蓋と言う処もあります)の出隅の上場留めや向う留めの角度の出し方は、皆様はどの様に出しているのでしょうか?
原寸を描く方もいれば、差し金術で何度も差し金をクルクル廻している方もいると思います。
私の場合、精度を出す為に電卓を利用しますが、差し金を使ってもチョイチョイで角度を出せますので、10秒もかかりません。
つまり、セオリー通りに角度を出している間に私の方法だと木材に墨を付け加工する時間があると言う事です。

そして、通常の工程より、私の作業工程の方が、少ない為に精度も高くなると言う事です。

こう言った積み重ねが技術の向上となります。

現在、棟梁の立場にいる私ですが、今だにどうすれば、”あの仕口が簡単に出来るか”、”現在より精度を上げるにはどうすれば良いか”、”今までより、限られた予算の中で強度を上げるにはどうすれば良いか”・・・・・・その他。
常に、考え続けております。

今、宮大工として将来の棟梁を目指している方々、上記の事柄を踏まえて頂ければ幸いにと存じ上げます。


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